愉快爽快サイクリング! つくば市の「アグリロード」を走ってみた
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2024.07.19
愉快爽快サイクリング! つくば市の「アグリロード」を走ってみた
つくばエリアに住む醍醐味の一つは、やはり豊富な自然と土地の特性を生かした農産物を新鮮なうちに食べられること。つくば市内の上郷地区から東光台地区まで約5kmにわたる「アグリロード」は、地元の農業を支える道だ。今回はこの道を、『散歩の達人』が自転車で走り切る! つくばの風を肌で感じながら、ブルーベリー農園や直売所で旬の味覚を味わい、昔ながらの集落を抜け、ゴールではくつろぎの一軒家レストランで元気をチャージ。栽培面積日本一である「芝」の畑、裾野から頂上までくっきり見える筑波山の絶景も楽しもう。

 

「アグリロード」とはどんな道?

つくば市西部にある東西に伸びる広域農道。アグリ(=農業)とあるように、田畑やブルーベリー農園などが点在する。アップダウンが比較的緩やかなため、自転車初心者でも気軽にサイクリングができ、風を感じながら走れば気分は爽快。周囲に高い建物がないので、うっそうと茂った林や田畑など豊かな自然を満喫しながら楽しめる。出発前には飲み物を用意しておこう。

真っ青な空に映える輝く芝畑(上郷ほか)

茨城県は芝の栽培面積が日本一(2022年現在)で、そのほとんどがつくば市で生産されている。青みがかった濃い緑色の「つくばグリーン」をはじめ、つくば市で生まれた「つくば姫」「つくば輝」「つくば太郎」などのブランド芝がある。アグリロード沿いには芝の畑がいくつもあり、緑色のじゅうたんのよう。畑によって少しずつ芝の色が異なるのも興味深い。寝転がってみたい気持ちが沸き起こるが、芝畑には入らないように。

生クリーム苺大福が人気の老舗店「八木製菓」(木俣)

ふくろうの卵は、TXつくば駅のアンテナショップでも販売。生クリーム苺大福は12月下旬~4月下旬までは朝採れのイチゴが入る。

店主の八木儀和さんは演歌歌手でもあり、店内には演歌歌手のサインも飾られている。

保存料を使用しないため、安心安全の和菓子が食べられる。

昭和20年(1945年)創業の和菓子店。自家製の餡は、北海道産小豆やグラニュー糖などこだわりの素材を使用した上品な甘さ。県内で先駆けて販売を始めたという生クリーム苺大福140円は、山形県産餅米のヒメノモチで作った弾力のある餅で自慢の餡とイチゴを包む。すっきりとした餡と、イチゴの甘酸っぱさ、生クリームのまろやかさが一体になった爽やかな味が好評。つくば市産のブルーベリーや福来ふくれみかんが入ったフルーツ大福各140円もある。つくば市の鳥・フクロウの卵を模した「ふくろうの卵」6個入り780円は、パン用の小麦と麦焦がしで作る皮と栗入りの白餡が入ったつくば市の名物だ。

美しい芝畑越しに望む筑波山の絶景(百家はっけほか)

アグリロードを走り、百家集落が近づいてくると突如として筑波山が見えてくる。日本百名山の一つで、最高峰の女体山が877m、男体山が871mの茨城県内では5番目に高い山。ここからなら山裾まで見渡すことができ、田畑や芝畑越しに見る筑波山は見とれるほど美しい。早朝ならば朝日で赤く染まる姿も見られる。

「つくばブルーベリーゆうファーム」で旬のブルーベリーを楽しむ(百家)

小さい子どもでも手が届く高さ。摘みながら皮ごと食べられる。

摘み取り園いっぱいにブルーベリーの木が植えられている。種類が多いので長い期間摘み取りを楽しめる。

ジャム680円、ゼリー400円、キャンディー400円など、ブルーベリーのやさしい甘みを感じるオリジナル商品の数々。

つくば市は日本三大ブルーベリーの産地。数あるブルーベリー農園のなかでもここでは丁寧にブルーベリーが育てられているので、甘みと酸味、香り、食感のバランスが良いと評判だ。広大な農園では、ブルークロックやエリザベスなど約800本・約50種類のブルーベリーを栽培。6月から8月中旬まで体験できるブルーベリーの摘み取りに多くの人が訪れるので、体験するなら予約をしよう(大人1300円・40分)。摘み取り園の中に入ると、爽やかな香りに包まれる。常時4~5種類が食べられるので、甘さや酸味などの違いを食べ比べてみたい。ジャムやキャンディーなど、新鮮なブルーベリーを使用したオリジナル商品も販売。

風格ある家屋や蔵と新しい家が並ぶ百家集落(百家)

アグリロードから県道45号へ。百家集落は、農地とは対照的な住宅地。この地区は古くから農業を営んでいる人が多く、広い敷地の家が多い。大きな蔵や瓦壁がある家など、歴史を感じさせる家々は建築好きにはたまらない。近年ではUターンで戻ってきたり、Iターンで新しく移り住んだりする人も多いので、新旧の家が立ち並ぶ様子も見られる。

ロケット花火を打ち上げる奇祭「竜水万灯祭りゅうすいまんとうさい」と観音寺(百家)

うっそうとした木々を抜けた先に広い境内がある。

約1時間にわたって夜空を駆けめぐる竜水花火。

県道45号から少し入ったところにある天文10年(1541年)開山と伝わる古刹。境内には数多くの石仏や石碑が点在していて、なかには摩滅によって読めないものもあるが、歴史的価値があるものだという。毎年9月の第2日曜日に行われる約200年続く竜水万灯祭は、竜が天に昇るように見えたことから名が付いた竜水花火(ロケット型花火)を疫病退散や魔除けのために打ち上げたのが始まり。19時30分頃から境内裏の畑で約240発を打ち上げる。どこに飛ぶかわからないためドキドキ、スリリングな花火観賞だ。

つくば市名産の福来みかんを使った七味を作る「苅谷七味加工所」(百家)

福来みかん入り七味唐がらしや一味唐がらしなどは、通信販売もしている。

敷地内にある市内最大級の福来みかんの木。七味唐がらしにこの木の福来みかんの陳皮を使用する。

七味唐がらしは、毎朝手作業で合わせている。

自家栽培の福来みかんを使った福来みかん入り七味唐がらしが名物。爽やかな香りとほのかな甘さがある福来みかんの陳皮や毎朝炒りたてのゴマ、季節によって変えるオリジナルブレンドのトウガラシなど、辛いだけでなく、香ばしさもある複雑な旨さを感じられる。ほかに、一味唐がらしや辛口の福来みかん入り七味唐がらしなどもある。山椒が少ないので、そばやうどんだけでなくパンにも合うというから、さまざまな料理に試してみたい。茨城県内のスーパーや道の駅などを中心に購入できる。

やさしいお母さんの味が好評「ありがとうきっちん」(土田)

甘辛ポーク弁当や焼きそばなどのほか、スチーマーで油分を落としているから揚げ440円はさっぱりと食べられる。

プリンや、2時間かけて作る餡を使ったスイーツもぜひ食べたい。

左から池澤久男さん、寺田光浩さん、寺田文子さん、池澤美江子さん。「お客様の“おいしい”の笑顔が見たいです」と話す。

2組の夫婦が定年後の第2の人生を楽しむためにオープンした弁当と総菜の店。お母さんたちの手作り料理にファンが多く、売り切れることもしばしば。おすすめはボリューム満点の甘辛ポーク弁当700円。豚肉と野菜を、味噌や青トウガラシ、ニンニクなどで作った特製ダレで炒めていて、パンチのある味にごはんが進む。焼きそば360円は油で炒めずにスチーマーで仕上げているので、麺がモッチリとしていてしつこくないと年配者からも好評だ。11~5月に登場する壺焼き芋も注目。常連も多く、会話を楽しんだり、高校生のお悩み相談などに乗ったりすることもあるという。

新鮮な野菜をゲット! 無人販売所「東光台青空市場」(東光台)

東光台体育館の交差点近くにある無人の野菜販売所。販売台は生産者ごとに仕切られていて、料金箱が置かれている。袋には採れたての新鮮野菜がたっぷりと入り、100円から購入できる。いろいろな旬の野菜が並んでいるので、ついつい買いすぎてしまいそう。代金は農家ごとに精算するシステムなので、小銭の用意を忘れずに。

ヘルシーなのに満腹になれる豆腐料理「kitchen Soya」(キッチンソイヤ/東光台)

大きな厚揚げの豚バラ肉巻きが4本も付く定食。ドレッシングをはじめすべて手作り。

L字型の広々とした店内は、カウンター席やテーブル席、ソファー席まであり、家族連れも多く訪れている。

センスの良い花木がいっぱいの一軒家レストラン。駐車場もあり。

2006年に開店した家庭料理が楽しめる一軒家レストラン。庭にはたくさんの植物が植えられていて、季節の花々が出迎えてくれる。毎日でも食べたくなる豆腐を使用した料理が豊富にそろうが、数ある豆腐料理のなかでも人気なのが、ランチメニューの厚揚げの豚バラ肉巻き1000円。厚揚げを豚バラ肉で巻いて、タレで味付けをしている。豆腐を使った料理なのであっさり系かと思ったら、濃厚かつ甘辛な味で、豚の旨味に加え厚揚げにしている分、弾力があって満足度も高い。茨城県産の米を炊いたごはんもおいしい。居心地の良い店内では、不定期でライブが行われることも。アマチュアバンドからプロまで出演者は幅広い。

サイクリングを終えて

暑い盛りではあったが、心地よい風を浴びつつ、芝畑や筑波山などの絶景を望みながらのサイクリングは格別。途中、つくば市の名物や旬の果物を味わい、ゴールではおいしい定食でフィニッシュ。次は、途中で弁当を食べてピクニックもいいかもと思いながら家路についた。

この記事をかいた人
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アド・グリーン/速志 淳(はやしじゅん)

『散歩の達人』をはじめ、旅行・グルメ関係の雑誌・書籍を制作する編集プロダクションに所属し、取材・執筆・撮影を行う。戦国時代とラーメンが大好き。

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