デザインオフィス六月舎 グラフィックデザイナー
埼玉県出身。結婚後、都内・取手市に住んだ後、2016年につくばみらい市に移住。デザイン事務所勤務を経て、出産を機に独立。デザインオフィス六月舎を設立し、グラフィックデザイナーとして活動する傍ら、2020年からみらい平の魅力発掘マガジン『Saluton!みらいだいら』を発行している。4歳男の子のママ。
デザインオフィス六月舎 グラフィックデザイナー
埼玉県出身。結婚後、都内・取手市に住んだ後、2016年につくばみらい市に移住。デザイン事務所勤務を経て、出産を機に独立。デザインオフィス六月舎を設立し、グラフィックデザイナーとして活動する傍ら、2020年からみらい平の魅力発掘マガジン『Saluton!みらいだいら』を発行している。4歳男の子のママ。
2016年につくばみらい市のみらい平エリアに移住し、グラフィックデザイナーとして活動する星さん。ログハウスの家で旦那さんと4歳の息子さん、3匹の猫と一緒に暮らしています。移住先として、みらい平を選んだ理由をお聞きしました。
「結婚後、都内や取手市に住んでから引っ越してきました。
前の家までは、賃貸で暮らしていたのですが、楽しみながら暮らすというコンセプトのログハウスの住宅メーカーが気に入って家を建てたいなと思い、土地を探し始めました。
夫の勤務先があるつくばエクスプレス沿線で探していたところ、茨城県の区画整理で出ていたこの場所をたまたま見つけました。公園の目の前ということもあり、静かでとても住みやすそうだと思いました。最寄り駅の改札を出たらすぐ目の前に筑波山が見えたのも決め手の一つです。
みらい平へは、フリーマーケットをやっていたときに1回来たことがあり、すごく静かで暮らしやすそうなまちだなというのが印象にありました。そのときに品物を買ったお店のおばあちゃんも横浜から引っ越してきたと言っていて、色々なところから移住されているのかな、ということも頭の片隅に残っていました。
移住当初は、夫婦2人で暮らしていて、ほとんど仕事で行ったり来たりで、あまりまちでの交流はなかったんです。ただ、人混みから帰ってくると、静かでほっとしていました。」
息子さんと公園で遊ぶ様子
星さんが独立したきっかけは、お子さんが生まれたことだそうです。
「都内のデザイン事務所に10年くらい勤めていて、取手に引っ越してからは柏の葉キャンパスにある会社に転職しました。
その頃から並行してフリーの仕事を少し受けていたのですが、本格的に独立したのは出産後です。
自分にとっての理想の育児・家事・仕事のバランスを取るために、将来的には家で仕事をしたいという思いがありました。
六月舎の名前の由来は、私が6月生まれだから。手がけているデザインは、紙ものですね。
名刺とかチラシ、パンフレット、ロゴなどを作っています。
お客様は、みらい平近辺が一番多くて、そのお客様がまた別の方を紹介してくださったりで、ちょっとずつお仕事をいただけるようになって、という感じです。
まちの身近なデザインオフィスとして、近くの方の力になれればいいなと。」
星さんのデザインされた「お米と暮らし」さんのパンフレット
星さんが創刊した「Saluton!〈サルートン!〉みらいだいら」は、みらい平エリア(陽光台・紫峰ヶ丘・富士見ヶ丘)密着の情報を伝えるフリーペーパー。現在、Vol.10(2023年4月)まで発行されています。なぜ、こういった雑誌を作り始めたのでしょうか?
「みらい平に引っ越してきて、本当にこのあたりの情報が何回検索しても全然出てこなくて。
情報をまとめたものがあったら色々な方に知ってもらえるし、自分が欲しかった、というのが作った理由の半分ですね。
あとは、2020年に創刊したとき、ちょうど本格的に独立して、2年ぐらい経っていて。私の仕事内容、こういうデザインをやっていますよということを知ってもらえるきっかけの一つになればというのがあって、自分が楽しみながら作れたらいいかなと思いました。
息子が『じょんこの家』というベビーサイン教室に行っていて、そこで『取材させてもらえませんか?』というところから始まりました。
創刊号は、前の職場の先輩と夫に協力してもらって、『こんな内容はどうかな?』と相談しながら作りました。それまで、取材は全くの未経験で、やっぱり面識がないところに取材に行くというのが一番ドキドキして、大丈夫かな、断られたらどうしようとか…。
「猫のムギ特派員」モデルの星さんの飼い猫ムギちゃん
3人で相談して、はじめは読みやすい冊子タイプにしていました。
猫のムギ特派員が見つけたお店を紹介するコーナーや、まちの小ネタも色々混ぜながら、飽きずに読んでもらえるよう表面だけじゃなくて、もう一歩踏み込んだお店の情報を伝えたいなと思っています。
私の野望は、『サルートン!』を広めて、おしゃれなお店がいっぱいあるなと地域の人に知ってもらうことで、みらい平にもっとお店が増えればいいなと思っていて。本屋と、個人的に好きなインドカレー屋さんができて、さらに、都内に住む前の職場の先輩がみらい平に魅力を感じ、引っ越してきてくれたら、目標達成です。
みらい平は、個人店が新規で参入しやすい街だなという印象があって。
大きい店は少ないですが、移住されて、家の一角をパン屋さんやお菓子屋さんにしている方が多くて。店主のこだわりがつまった素敵なお店が多いです。
『サルートン!』を読んで、自分にとって心地のよいお店を見つけて、ますますここでの暮らしを楽しんでほしいです。
住民の方々に毎回色々なインタビューをしていて、『どの場所が好きですか?』と聞いた回は、田んぼに沈む夕陽や、広い空と答える方が多かったです。住宅地と田舎の風景が入り交じり、そんなところも住みやすさのひとつかなと思います。
今は、一緒に作る仲間『amiko』を結成して、5~6人で分けて取材していて、紙面のデザインを私がやっています。
『amiko』は、取材した過程で出会った方達を勧誘して結成しました。メンバーは大体同世代の女性で、たまたまですが皆移住者です。」
息子さんと公園で遊ぶ様子
みらい平での日常生活や子育てについてもお聞きしました。
「普段は、子どもと公園に出かけることが多いです。目の前の公園は庭のように使っています。
みらい平は、公園がすごく多くて、14ヶ所あります。ザリガニがいる公園とか、大きいすべり台がある公園とか色々使い分けて、飽きたら違う公園に行ったりとか。そこまで人もわーっといる感じじゃないので、のびのびと走っても大丈夫だし。
お昼は近くのパン屋さんで買ってきて公園で食べたり、近くにキッチンカーが来ることもあるので、そこで買ったおやつを食べたりと一日中公園にいる日もあります。
道もあんまり混んでないので、安全だし、子どもはそこら辺で走り回っているだけでも楽しいみたい。
買い物は、『お米と暮らし』さんと近くに2ヶ所あるカスミに行きます。そんなに大きいショッピングモールはなくていいから、小さくていい感じのお店がもっとたくさん増えると嬉しいです。隣町の守谷とつくばに大きいショッピングモールがあるので、何かあるときはそこに車で行けますし、みらい平には最低限のものが揃っているので特に不自由はないです。
大きい病院が近くになくて、公園にはよくドクターヘリが来ます。最近、病院に行くバスの運行が始まって、少しずつ便利になっていますね。一昨年、待望の郵便局もできました。「みらい平市民センター」には、市役所の業務も入っていて、3階には市民が主体となって行う活動をサポートしてくれる「市民活動まちづくりセンター」があり、『サルートン!』もここに団体登録しているので、いつも集まってミーティングをしています。近くのコミュニティセンターには児童館や図書館が入っていて、ここも子どもが大好きなので本を借りたりしに行きますね。赤ちゃんの支援室もあるので、小さい子はそっちに行ったり、2階は児童館なので、小学生も遊んでいます。
アウトドアでは、バーベキューをやっているおうちは多いですね。車で少し行けば、自然が多く、キャンプに行く人も多いと聞きます。この前は、家の庭にテントを立ててお昼を食べながらのんびり過ごしました。
子育て世代は多いです。私は当時、『1歳まで待つと入れない』とまわりの人に言われて、保育園には0歳から入れました。保育施設は最近も新設されたりと、少しずつ増えてきています。数年前に新しく小学校もでき、最近では7クラスもあるそうです。子どもの数はすごく増えていると思います。今は自転車で2,30分のところにある中学校まで通っているそうですが、今後みらい平地区内に新しく中学校もできる予定です。
電車はほとんど乗らなくなりましたが、浅草や北千住にも1本ですぐ行けるので、移住前と今とでギャップはあまり感じないです。東京にいた頃、旦那さんが通勤で人の多い駅を利用するのが結構ストレスだったようで、今はそのストレスもなくなりました。このまちへの移住は、いいことしかなかったです!私が感じるみらい平の魅力は、空の広さですね。空ってこんなに見えたんだと思いました。高い建物が全くないので、割とどこを歩いていても、空が主役のまちだなと感じます。
最近のみらい平の様子は、いかがでしょうか?
「みらい平に移住して、7年で緩やかに変わりました。
『サルートン!』を創刊したタイミングで、コロナになってしまってどうしようっていう感じだったんですけど、地道に刊行して。
今年に入ってから、新しくできたお店もありますし、発展は確かにしてきたかもという印象はあります。
家や人、イベントも増えてきて、最近も3月にみらいの森公園でmarche 96beeがあって、『サルートン!』も出店しましたが、たくさんの方に来ていただき、大賑わいでした。」
みらいの森公園で開催されたマルシェ『marche 96bee』へ『サルートン!』が出店した様子
最後に、今後の目標をお聞きしました。
「『サルートン!』が世代を超えたコミュニケーションの場になればいいなと思っています。
色々な世代の人が好きな事を通じて新たなコミュニティが生まれたら嬉しいという思いから、不定期でワークショップをやっています。
これまでに、お正月飾り、クリスマスのリース、ハーバリウムなどを作りました。1人で参加される方もいるし、新しい方がどんどん入ってきているので、今まで住んでいる方と新しく引っ越してきた方で情報交換ができる、コミュニケーションの場を提供できたらいいなと。
『サルートン!』は最初は季刊で今は不定期になっていて、編集部の皆も仕事があるので、なかなか進みが遅いんですけど、ゆっくり自分たちのペースで長く続けていければいいかな。読んだ人とお店との距離がちょっと近くなるというか。取材するお店の方の空気感も伝わればいいですね。
仕事もそうですが、家族や友人、関わる方々に対して一つひとつ丁寧に向き合っていきたいと思っています。当たり前の事かもしれませんが、みらい平の穏やかな環境がますますそんな思いを強くしているような気がしています!」
星さんのお話から、自然体でみらい平での仕事や暮らしを楽しんでいる様子が伺えました。優しい、暖かい、ゆったりといったキーワードが浮かぶ星さんのデザインは、みらい平の雰囲気と合っているなぁとも感じました。
これから移住する方も『サルートン!』のような地域情報をまとめたメディアがあると心強いですね。
ウェブサイト
https://www.6gatsusha.com/
フリーペーパー
『Saluton!みらいだいら』
https://www.instagram.com/saluton2020/
フリーマガジン「茨女」は、茨城所縁の20〜30代の女性編集部がつくる“茨城県出身の女性を応援するメディア”です。
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茨女編集部 代表 川井 真裕美
株式会社MIITO CREATIVE(ミートクリエイティブ)代表取締役社長。グラフィックデザイナー/イラストレーター。フリーマガジン「茨女」代表。「茨城×女性×デザイン」という領域で、茨城県の魅力を発信しながら「よくばりな働き方を叶える!」ことを実践中。
茨女編集部 柴田 志帆
茨城県内の公共図書館で働く傍ら、フリーマガジン『茨女』の編集に携わる。
編著書に『全国タウン誌総覧―地域情報誌・ミニコミ・フリーペーパー・8700誌』(皓星社 2022)