山梨県出身の42歳。
職業はプロデューサー。都内の会社に所属しながらも、日々の仕事はほぼ自宅で行っている。
2018年12月に東京北千住の賃貸マンションから松並青葉エリアで戸建を購入して移住。妻と5歳の娘、1歳の息子と暮らす。
物件選びの基準は、都心にアクセスしやすいこと。広い戸建てに住めること。子育てしやすいこと。資産価値が下がりにくいこと。
- ・お話を聞いた人
- ・「全国住みよい街」で常に上位!秋葉原駅からの終電も0時過ぎまで
- ・茨城なら庭と駐車場付きの戸建てでゆったりと住める
- ・戸建て需要は高止まり 「物件価格が値下がりしにくい」は売るときにメリット
- ・新興住宅地の松並青葉エリア
- ・人気のエリアは、TX守谷駅5~20分徒歩圏内の、中央、ひがし野、松ケ丘、けやき台
- ・TX守谷駅にひと駅で乗り換えできる、新守谷駅周辺の松前台や薬師台
- ・都内と比較すると、子育て環境も抜群
- ・学力、ICT教育、英語、地域教育にも力を入れる「子育て王国もりや」
- ・丸一日過ごすこともできるイオンタウンには、映画館、ユニクロ、無印良品、フードコートも
- ・守谷駅前は通勤者が利用する駐車場が多く便利
- ・開発計画が盛りだくさん 発展途上の守谷市は、これからもっと面白くなりそう!
お話を聞いた人
守谷市 松並青葉エリア 在住
守谷を知るプロ
つくば・土浦を中心に茨城県南・県央で11店舗展開している地域密着型の不動産会社、一誠商事で守谷支店長を務める。
「全国住みよい街」で常に上位!秋葉原駅からの終電も0時過ぎまで
守谷市は近年、メディアでも東京近郊の人気の移住地としてよく取り上げられていますよね。
ありがたいことに、民間企業の調査によるさまざまな「全国住みよい街」で常に上位になっています。実際、コロナの影響で仕事がリモートでできるようになってきたのもあって、流入がどんどん増えている状況です。
なぜ守谷市が選ばれるのでしょうか?
リモートで仕事する方も含めて、守谷に引っ越してくる人の7割から8割が都内の会社にお勤めです。もともとつくばエクスプレス(TX)沿線はアクセスが良くて都内に通う方に人気ですが、その中でも茨城県内で最も都内に近いのが守谷駅だからですね。 秋葉原駅から守谷駅までの終電も0時過ぎまであるので、都内に住んでいるような便利さで暮らせるんです。
茨城なら庭と駐車場付きの戸建てでゆったりと住める
守谷に移住を希望される方はどのような方が多いですか?
「TX沿線沿いで都内に近い場所」を希望されている方が、東京から離れるなら、より広い家に住みたいと考えて守谷を選んでいる印象です。
同じつくばエクスプレス(TX)でも流山おおたかの森駅周辺や柏の葉キャンパス駅周辺はマンション群ですが、守谷なら庭と駐車場付きの戸建てでゆったりと住めますから。
つくば駅近辺ほど都会的ではないですが、少し離れると自然もありますし、ちょうどよさが守谷の魅力です。
うちも当初は流山おおたかの森駅周辺や柏の葉キャンパス駅周辺も検討していたんですが、都内までの移動時間はあまり変わらないのに、利根川を越えて茨城県に入るだけで物件価格が一段階下がることを知って、そのうえ広い家に安く住めるなら守谷がいいなと家族で意見が一致しました。
そのようにおっしゃる方は多いですね。都内に働いてる人はおおむね収入も高いので「守谷市だと土地の坪単価がこんなに安いの?」と驚かれます。そして、購入でなく賃貸物件を選ぶ人も「都内の半分の家賃で同じ広さの家が借りられるの?」と驚きますね。賃貸マンションの入居率も過去にないぐらい高くなっていて家賃も右肩上がりです。
戸建て需要は高止まり 「物件価格が値下がりしにくい」は売るときにメリット
戸建て物件を購入したいという需要も高いようですが、物件価格も上がってきているのでしょうか?
上がっています。現在、守谷駅から徒歩10分圏内だと坪単価40万円から50万円くらいです。この1年間で坪単価10万円は上がっていますね。これだけの需要があるので、今後も物件価格は下がりにくそうです。藤本さんが2017年に買った家も、今なら確実に購入当時より高い価格で売ることができると思います。
購入する時に大切にしたことのひとつに「値下がりしないエリア」だということもありました。
値上がりしていくのであれば将来的に子どもに相続するとしてもスムーズですし、あるいは物件を売却したお金で私たち夫婦が老人ホームに入るという選択もできると考えたんです。
守谷市で物件を検討される方の予算はどれくらいでしょうか?
東京の会社にお勤めの方が多いのでそれなりにご予算が高めで、おおむね5,000万円以上です。もし、守谷駅前でも戸建てにこだわらないなら3000万円台でマンションも買えます。高くても5,000万円しないくらいでしょうか。 もちろん戸建てと同じで売り物件が出ればすぐに買い手がつくような状況はありますが。
ひと昔前までは地元に住む20~30歳代の方が賃貸からの住み替えで土地と建物を合わせて3,000万円くらいの予算で探す方がほとんどでしたが、すっかりお客さまの層が都内からの移住者に変わりました。つくばエクスプレス(TX) ができてからその傾向でしたが、この2年で一気に加速しました。
守谷市は人口も増えているそうですね。
2005年のつくばエクスプレス(TX) 開通以降、ずっと右肩上がりです。 TX 開通時は5.4万人程度だったのが現在は7万人程度です。 平成22年の頃には市町村として人口伸び率も全国3位、去年のデータでも全国1700以上ある市町村の中で12位になるなど、全国有数の人口増加が著しい市町村の一つです。
新興住宅地の松並青葉エリア
藤本さんが住んでいるのは守谷市の中のどこのエリアですか?
松並青葉というエリアです。 区画整理が行われた新興住宅地なんですが、電柱も全て地下に埋設されていて景観がとても綺麗です。
また「星の広場」「松並木公園」「天の川公園」という 三つの公園があって、公園から松並木の間を歩ける遊歩道が通っています。近くに大通りもないので 街自体も静かです。
松並木公園:星の公園、天の川公園のちょうど中間に走る松並木を整備した遊歩道
星の広場:住宅街の中央に配置された円形の公園。安全面を考慮して、芝生とタータンが敷かれている。
松並青葉は2017年頃に開発が進んで、今ではすっかり住宅が密集している人気エリアになりました。 ほぼ都内からの移住者が住んでいます。地方移住が盛り上がっていますけど、こうした新しいエリアなら昔ながらの街に溶け込む難しさといったことはほぼ気にせずいられるところもいいところです。
都内的な感覚で暮らせるというのは、移住者にとって気持ちが楽ですね。
町内会はありますけど、仕事は都内に通っていて、ご家庭には小さいお子さんがいるなど、似たような状況の方が多く住んでいるのもあって、お互いに馴染みやすいです。
松並青葉には老人ホームもありますし、ヨークベニマルというスーパーもあるので、仕事を持って都内に通う年代だけでなく、老後を暮らすのにも便利だと思います。
人気のエリアは、TX守谷駅5〜20分徒歩圏内の、中央、ひがし野、松ケ丘、けやき台
守谷で一番人気のあるエリアはどのあたりでしょうか?
やっぱり都内に通う人が多いので、駅徒歩5分圏内の中央というエリアが一番人気です 。松並青葉、ひがし野も人気エリアです。ひがし野もつくばエクスプレス(TX)が開通してから区画整理されたエリアで、2022年時点で17年ぐらい経っている場所ですが、守谷の中では比較的新しい街です。守谷駅までの距離は遠いところでも徒歩20分圏内ですね。
今挙げた、中央、松並青葉、ひがし野を含め、松ケ丘、けやき台なども駅に徒歩で行けるので人気ですが、どちらのエリアも需要に供給が追いついておらず、現状で売り物件は数える程度しか物件がないのが現実です。
これらの人気エリアは、転勤などの特別な事情がない限り手放す人は少ないと思うので、この先10年くらいは中古物件が出てくることも無さそうです。
では、今から守谷に住みたいという場合、現実的に選べそうなエリアはありますか?
おすすめなのは、国道294号線沿いの松並というエリアです。ここは市街化調整区域という、住宅や商業施設などを建築することは原則認められていない場所なのですが、特例的に家を建ててもよいエリアに指定されています。駅までの距離も徒歩15分程度です。
少し街並みが古いので新住民が住んでいるというよりは30年くらい住んでいるような人が多く、土地面積も40坪ぐらいとやや手狭で住宅も密集しているのがデメリットですが、ひと坪あたり20万円くらいで買うことができます。
戸建だと単純計算で、土地が50坪なら1,000万円、それと建物を新築で2,000万円で建てても3,000万円あれば足ります。
TX守谷駅にひと駅で乗り換えできる、新守谷駅周辺の松前台や薬師台
近隣で新たに区画整理されるエリアなどはないのでしょうか?
新守谷駅の辺りで区画整理する計画があります。新守谷駅は常総線なのでつくばエクスプレス(TX)の駅は無いのですが、ひと駅隣の守谷駅で乗り換えができるので都内に通うこともできます。つくばエクスプレス(TX)開通前に開発された街で、とても綺麗な住宅地が広がっています。
新守谷の松前台や薬師台といったエリアはもともと30年ぐらい前のバブルの頃に開発されたことをきっかけに都内のベッドタウンとして人口も増えていましたが、つくばエクスプレス(TX)ができてからさらに便利になって県外からの流入が増えています。また、住宅地なら新守谷だけでなく南守谷にも多くあります。
都内と比較すると、子育て環境も抜群
藤本さんの、守谷市に住んでみた感想を教えてください
コロナの影響もあってほぼ自宅でリモートで仕事をしていますが、都内に行くのも近いのでストレスになりませんし、住んでみて守谷市の便利さを実感しています。妻も育休から復帰して毎日都内に通っています。
2018年に守谷市に来る前までは、生まれたばかりの娘を都内の賃貸マンションで育てていました。都内だとどこに行くにも電車を使うので、目的地の駅に着くとまずベビーカーの使えるエレベーター探しをしなくてはいけないんですよね。さらに、エレベーターが見つかっても行列でなかなか乗れないことも多くて大変でした。
また、都内だと駐車場などの維持費も高くつくため当時は車を持っておらず、自転車で保育園への送り迎えをしていたんですが、雨の日はずぶ濡れでした。都内の保育園には待機児童の問題もありましたね。
それらが守谷市に来たことで、すべて解決しました。今は車も購入したので送り迎えも全然苦ではないですし、電車を使うこともほぼないのでベビーカーもあまり使うことがありません。子育て環境としては 抜群です。スーパーなどの商業施設も物凄く広くてベビーカーやカートのすれ違いにも余裕があるし、飲食店も座敷のある家族向けのお店も多いです。
学力、ICT教育、英語、地域教育にも力を入れる「子育て王国もりや」
学校や保育園など、教育面はいかがですか?
小学校は全校生徒900名のマンモス校になっているところもあるようです。登下校の時間などは生徒の姿をたくさん見ますね。
小学校はまだ足りていない状況のようで、小学校の校舎は生徒数に応じて増築をしているようですね。ただ、生徒数が多くても、生徒に目が行き届かなくなっているかというとそんなことはなく、実は守谷市は茨城県内でもトップクラスの学力なんです。自治体としても「子育て王国もりや」を打ち出していて、トップクラスの学力をさらに向上させること、ICT教育や英語、地域教育にも力を入れています。
子どもが高校生の年齢になれば、守谷市には茨城県立守谷高等学校もありますし、希望によってつくば市にも千葉県の高校にも通う選択肢もあるのが守谷市の良さです。なお、 保育園はとても増えてきているので、待機児童の問題も無いはずです。
丸一日過ごすこともできるイオンタウンには、映画館、ユニクロ、無印良品、フードコートも
まちでの過ごしかたについても聞きたいのですが、守谷市だと休日はどこに出かけますか?
守谷駅のすぐそばにイオンタウンがありまして、映画館、ユニクロ、無印良品、フードコートもあって充実しています。子育てするにはショッピングモールはとても便利なんですよね。 しかも意外と空いているのもいいところです。
空いているのは、守谷に住んでいる人もみんなつくば市のイーアスまで車で40分くらいかけて行くからかもしれませんね。
ほかにはやっぱり公園が多いので、行くことが多いです。ホームセンターのジョイフル本田や国道沿いにはチェーンの飲食店も充実しているのでとても便利です。
つくばエクスプレス(TX)沿線のなかでも、つくば市と守谷市は都市的な部分も充実していますよね。
守谷市の文化的な面はなにかありますか?
毎年7月に行われる、1100年の歴史がある八坂神社祇園祭というお祭りが有名です。神社を出発した神輿がまちを巡るのですが、活気があって、見学者の方もたくさん訪れます。八坂神社自体は昔から守谷に住んでいる人たちがいる本町というエリアにあるのですが、つくばエクスプレス(TX)が開通して人口が増えたことに伴ってすごい賑わいになりました。 一見の価値があると思います。
守谷駅前は通勤者が利用する駐車場が多く便利
守谷市に住んでいて気になる点は、なにかありますか?
駅から5分ぐらい離れたらイオンタウンやブランチ守谷という新しいショッピングモールがあるんですが、駅前には駐車場がかなり多いので、ちょっとそれがつまらないですね。
大きいショッピングモールに行きたいという場合でも、多くの方は柏の葉キャンパス駅近くのららぽーと柏の葉か、つくば市にあるイーアスつくばに行くと思うので、守谷市を目的地として遊びに来る人は少ないのかなと感じています。
たしかに駅の周りは駐車場だらけです。「都内へのアクセスが便利」という理由で守谷に引っ越してくる人がほとんどなので、通勤で家から駅まで車で行く人や送迎する人には便利ですけどね。
ただ、駅前の駐車場も、今後もずっとそのままということは無さそうに思っています。おそらく商業施設などに入れ替わっていくのではないでしょうか。今後、開発が進んで、守谷を目的地として人がやってくるといいですね。
移動に関して言うと、守谷は幹線道路沿いに日常の買い物や食事のお店が多いので、車を持つことも必須ですが、その分行動範囲が広がり楽しくなります。
開発計画が盛りだくさん 発展途上の守谷市は、これからもっと面白くなりそう!
守谷の今後はどのようになっていくと思いますか?
東京へのアクセスの良さや便利さはこれからも変わらないと思いますが、守谷駅のまわりに商業施設ができてくるでしょうし、まだまだ開発が進むと思います。
常磐自動車道の守谷サービスエリアにはスマートインターチェンジが計画されており、おそらくその周りで物流倉庫や工場も増えると予想されます。そこで働く人も新たに増えるでしょうし、活気づきそうです。
新守谷駅周辺での区画整理の計画もありますし、さまざまな新しい開発の話が聞こえてくる状況です。人口もさらに伸びそうですし物件価格も上がっていくでしょう。すでに盛り上がっていて人気ですが、まだまだ伸び代があるまちと言えます。
今はご紹介出来る物件がほぼない状況になってしまっていますが、今後は、今既にお住まいの方が購入価格よりも高値で手放して住み替えすることもあると思うので、中古物件も出回ってくると思います。
実は私は県内の別の自治体に持ち家を買って住んでいるんですが、本当は守谷に住みたかったなと思っているくらいなんです。つくばエクスプレス(TX)が便利で、まちも綺麗。商業施設もたくさんあって魅力的なまちです。
茨城県内で一番東京に近く、まるで都内に住んでいるような利便性で移住者に選ばれているまち、守谷市。区画整理やさまざまな施設の開発計画も目白押しで、子育て家族にとっては、子どもの成長とともにまちの成長も一緒に楽しめそう。また、ただ新しいだけでなく、昔ながらの祇園祭や自然環境も残っていることなど、新と古、都市と田舎を両方感じられるのも魅力的だ。
都内勤務で、広い環境で便利に暮らしたい家族には、住まいを探す候補としてやはり外せないまちだ。
磯木淳寛
教育事業、地域ブランディング。地域のストーリーを題材にした商品開発にも取り組む。関係人口を育む、インタビューと執筆のワークショップ「LOCAL WRITE」主宰。