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2024/02/15
地域や社会の課題を解決する筑波大学の講義「アートデザインプロデュース」【ツクナビ】
筑波大学の芸術専門学群に「アート・デザインプロデュース(通称ADP)」という講義があります。この講義は、複数の教員が立ち上げたプロジェクトからチームを組み、地域や大学の課題をアート・デザインで解決することを目的として開講されています。今回はADPから「パプリカ」と「つながるキッチン」の2つのプロジェクトについて話を伺いました。
この記事の目次

デザインの力でよりよい病院づくりに貢献する「パプリカ」

「パプリカ」は筑波メディカルセンター病院にてリノベーションを行っているプロジェクトです。

筑波メディカルセンター病院は、設立から40年以上の歴史を持ち、つくば市、常総市、つくばみらい市の医療の基幹病院の一つとして位置づけられているつくば市の医療機関です。
「パプリカ」は、そんな地域に寄り添った医療を行う病院のホスピタリティ提供の一環として、2006年からアート・デザイン活動に取り組んできました。

これまではエントランスや緩和ケア病棟家族控室などのリノベーションを手掛けてきましたが、現在はICU家族控室のリノベーションに向けて活動をしています。今回はこのプロジェクトを率いる3人にお話を伺いました。

写真左から、松澤さん、彩乃さん、鈴乃さん(※双子の姉妹)

プロフィール紹介

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

パプリカのリーダー。芸術専門学群3年生・建築デザインを専攻。
パプリカでは主に家具デザインを担当している。

サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)
サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)

パプリカのサブリーダー。芸術専門学群3年生・プロダクトデザインを専攻。
パプリカでは主に病院内の地図や案内デザインを担当している。

サブリーダー:松澤さん(芸術専門学群3年生・ビジュアルデザイン専攻)
サブリーダー:松澤さん(芸術専門学群3年生・ビジュアルデザイン専攻)

パプリカのサブリーダー。芸術専門学群3年生・ビジュアルデザインを専攻。
パプリカでは主にカラーデザインを担当している。

プロジェクトについて

現在の活動内容

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

現在はICU家族控室をリノベーションしています。

ICU家族控室は、事故や突然の病気など、緊急で運ばれてくる患者さんが手術を行っている際に、駆けつけたご家族が利用する部屋です。現在は4部屋ありますが狭く暗い印象になっています。

緊迫感のある現場で、少しでもご家族の緊張を和らげる空間にしてほしいと病院からお話があり、リノベーションの計画が始まりました。

実際の控室を見学する様子

リノベーションのコンセプト

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

コンセプトは「印象に残らない良い空間」です。

ICU控室周辺は、入院されている患者さんのお見舞いに来る方も多く利用します。そのような方にとって、病院の無機質さは、日常生活とかけ離れた印象を与え、ストレスになることがあります。
今回、リノベーションのコンセプトを設定するにあたって、日常と病院が地続きとなるような居心地の良い空間をデザインしたいという思いを込めました。

サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)
サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)

ICU控室の利用者は、不安や緊張など気持ちに余裕がない状態であるため、室内に飾ってある何気ないイラストが目に入るだけでも、そこからどんどんネガティブな方向に発想をつなげていってしまうことがあります。そのため空間のデザインや装飾にも、普通とは異なる気遣いが必要です。
そこで私達は、「印象に残らない良い空間」というコンセプトのもと、絵画など人を癒すための具体的なものは設置せず、空間全体の効果を利用してリラックスできる空間を作りたいと考えました。

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

その場で強く印象に残らなくても、利用者がふと思い返した時に、「そういえば、あの病院って居心地よかったな」と、気づけるような空間作りを目指していきたいです。

コンセプト実現のための苦労と工夫

サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)
サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)

一言に印象に残らない居心地の良さを目指すといっても、たとえば観葉植物を置くなど、わかりやすくヒーリング効果を狙った演出は、押しつけがましい印象を与えかねず、コンセプトからも離れてしまいます。
反対に、印象に残らないように、わかりやすい演出を避けていくと今度は無機質なデザインに近づいていき、居心地の良さから離れていってしまうため、バランス加減が難しいです。

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

大袈裟な演出が出来ない分、部屋にあるものをどう配置するかという細かい調整を丁寧に行うことが、最終的な室内の印象に大きく影響します。私たちも実際にリノベーションを行うのは初めてのため加減が難しいですが、実現に向けて話し合いを進めているところです。

また、細かい話にはなりますが、椅子の座り心地にはこだわっています。夜中に来院しそのまま長時間滞在される方もいるので、椅子をベッドとしても使える工夫をして、長時間使用しても身体に負担がかかりにくいデザインにしていきたいと考えています。使いやすさも含めて、印象に残らない居心地の良さを目指しています。

サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)
サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)

部屋の広さなど、どうしても変えられないところに関しても、なるべく解放感を感じられるように、照明の種類や光の当て方を工夫しようと考えています。
例えば、間接照明を使用し、壁を照らして空間を広く見せたり、家具の配置なども試行錯誤したり、居心地のいい空間を演出できるよう、検討を重ねています。

サブリーダー:松澤さん(芸術専門学群3年生・ビジュアルデザイン専攻)
サブリーダー:松澤さん(芸術専門学群3年生・ビジュアルデザイン専攻)

これまでには、私たちが居心地のいい空間だと思って提案したデザインが、病院の方々からすると使いにくいと感じてしまうということも多くありました。
デザインを専攻している私たちと、医療従事者である病院側の方々との視点や感性、意識する点の相違は、施設の印象をデザインする上で特に難しさを感じる部分でもあります。

サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)
サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)

病院側の方々と意見が合わないときは、まず相手の意見を汲み取り、納得してもらえる代替案を提案するようにしています。
病院の抱える課題をデザインの力で解決することが私たちに課された役割だと思っているので、全面的に病院の意見を受け入れるのではなく、デザインの重要性を説明しながら、私たちなりの課題解決策を提案するようにしています。

先輩方が築き上げた病院との信頼関係もあるため、最終的には私たちに任せると言っていただけることもあります。

学生主体で進める「パプリカ」の活動

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

このプロジェクトでは、基本的には学生が主体となって活動を進めますが、私たちと同じ芸術専門学群の卒業生でもある病院のアートコーディネーターさんや、過去にパプリカの活動に携わった大学院生の方にティーチング・アシスタントとして参加いただいています。
自分たちの知識が及ばない部分は、先輩方に過去の事例を伺い、アドバイスをいただきながら活動しています。

過去にパプリカが手掛けた、病院エントランスのリノベーション

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

ICU控室のリノベーションは昨年度からはじまった活動です。

現在は、メンバーそれぞれの得意分野や興味のある分野から、3つの班に分かれて活動しています。家具やインテリアや寸法を決める家具班、院内に設置する地図や案内を制作するサイン班、色を中心的にデザインしてもらうカラーデザイン班の3班です。

それぞれの班について

サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)
サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)

サイン班では、ICU控室のリノベーションにあたって、控室周辺の地図や案内を整えるための話し合いを進めています。

現在、院内に設置してある案内は、必要に応じて手作りしている状況で、紙で作られたものが多く、案内のデザインも場所によって異なります。病院の方からも「病院の案内がなくて寂しい」という声をいただいたため、院内に設置している地図や案内の制作をすることに決めました。
余計な装飾をせず、視覚的にわかりやすい、シンプルなデザインにすることで、気持ちに余裕がない状況の方にも、ストレスなく情報が目に入るようなサインを制作したいと考えています。

サブリーダー:松澤さん(芸術専門学群3年生・ビジュアルデザイン専攻)
サブリーダー:松澤さん(芸術専門学群3年生・ビジュアルデザイン専攻)

カラーデザイン班では、利用する人の心理状態に寄り添ったカラーデザインによって、よりよい空間づくりを行いたいと考えています。

以前パプリカでリノベーションした部屋は、リハビリをする人のための部屋だったので、前向きな気持ちになってもらえるように鮮やかな黄色を使用したデザインを提案しました。
今回のICU控室では、具体的な配色は決められていませんが、利用者のセンシティブな状態に寄り添い、くすみカラーのようなあまり印象に残りにくく彩度の高くない色味にしようと考えています。

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

家具班では、居心地のよい空間づくりのために、インテリアの種類や数、デザイン、配置を考えています。配置に関しては、できるだけ多くの人数が入れるようにしたいという実用面と居心地のよさを両立させるために様々な工夫をしています。

例えば、知らない人同士が座っても不快にならないための距離感をデザインによって設計することで椅子の稼働率をあげることができます。椅子の座面の高さや向きを変え、利用者の視線によってエリア分けができるよう意識してデザインをしています。

ICU控室の完成イメージ(※デザインは変更される可能性があります。)

メンバーについて

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

主に芸術専門学群の学生で構成されていますが、専門分野は様々で、数名ですが他学類の学生もいます。

病院の方と話をしたり、自分たちで話し合って調査したりと、デザイン作業以外にもすることがたくさんあるので、それぞれの得意分野を活かしながら活動しています。普段デザインに触れていないメンバーの着眼点は興味深く、プロジェクトに新しい発見をもたらしてくれます。

通常の授業では得られない学び

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

通常授業で提出するデザインの課題は、多少つじつまが合わない部分があっても許されますが、パプリカのプロジェクトではそれが通用しません。期日に間に合わなければ、終わりを伸ばしてでも妥協なく完成させなければいけません。
過去には、途中で設計上の課題が見つかり、病院側への相談に向けて詰めていたアイデアを一から考え直したこともありました。

パプリカで得られる学びは多く、プロジェクトの進め方やヒアリングの方法など授業や他の活動で活きることも多々あります。

特に、「伝え方」についてはパプリカの活動を通して意識が変わりました。以前はデザインや設計に注力してしまい、説明の資料を疎かにしていましたが、デザインを学んでいない病院の方と活発に意見を交わし合うためには「伝え方」に工夫が必要だと感じました。図面に人を書き込んだり、立体にしたりなど、病院の方にイメージをわかりやすく伝えることで、有意義な意見交換に繋がりました。

模型を使用して、病院の方とデザインについて話し合う様子

活動のモチベーションや嬉しい瞬間

サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)
サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)

病院の方に私たちの意見を受け入れていただいた瞬間です。

いただく要望の中には、実現が難しいものもあります。
その際、病院側の方々が本当に求めているものは何なのかを汲み取り、新しい切り口での解決策を見出しながら、デザインを学んでいる私たちだからこそできる提案をすることで受け入れてもらえることがあります。

プレゼンテーションをすることで、「デザインってすごいんだね」「これからの病院にはデザインが必要だよ」といった言葉を頂いたことがあります。そんな言葉を掛けていただくのがとてもうれしいです。

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

病院の方たちがワクワクした様子を見せてくれる瞬間です。私たちの提案に対して「病院がもっと良くなる」と喜んでくれることがとても嬉しいです。リノベーションの案を一緒に考えるなかで、「夢が膨らんでとても楽しい」と言っていただけると、これからも頑張ろうと気が引き締まります。

今後の目標

リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)
リーダー:彩乃さん(芸術専門学群3年生・建築デザイン専攻)

現在のプロジェクトは、今のところ年内の完成を目指して活動をしています。私が卒業するまでにみんなで完成を迎えたいです。

サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)
サブリーダー:鈴乃さん(芸術専門学群3年生・プロダクトデザイン専攻)

今はデザインの方向性が決まり、具体的なデザインをしていく段階に入っています。色々議論してようやく方向性が決まったので、これから色味を決めたり、家具をデザインする作業を進めていきたいです。

INFORMATION
筑波メディカルセンター病院

公益財団法人筑波メディカルセンターが管理・運営する病院である。つくば保健医療圏(つくば市、常総市、つくばみらい市)の医療の基幹病院の一つとして位置づけられる。

〒305-8558
茨城県つくば市天久保1丁目3−1
TEL:029-851-3511(代表)
http://www.tmch.or.jp/hosp/index.html

アクセス:
[バス]
つくばセンターバスターミナルから筑波大学循環バス「右回り」または「左回り」に乗車し、「筑波メディカルセンター前」下車
[徒歩]

つくばエクスプレス「つくば駅」[A2]出口から徒歩20分

デザインの力で世界の料理を広めていく「つながるキッチン」

つながるキッチンは各国に伝わる料理のレシピ本を作成するプロジェクトです。つながるキッチンプロジェクトのメンバーのお二人にお話を伺いました。

左から、加賀美さん、二門さん

プロフィール紹介

加賀美さん(芸術専門学群2年生)
加賀美さん(芸術専門学群2年生)

ブランディングのディレクター。デザインをメインにプロジェクトに参加。

二門さん(芸術専門学群2年生)
二門さん(芸術専門学群2年生)

編集のディレクター。デザインをメインにプロジェクトに参加。

プロジェクトについて

活動内容

二門さん(芸術専門学群2年生)
二門さん(芸術専門学群2年生)

海外の食を知り、広めていくことをテーマに、つながるキッチンのレシピブックを作ることがメインの活動です。
レシピブックでは、日本でいう寿司といった、特別な日に食べるような食べものではなく、おにぎりのように普段よく食べる家庭料理を扱いたいと考えています。

レシピ本制作のきっかけ

加賀美さん(芸術専門学群2年生)
加賀美さん(芸術専門学群2年生)

昨年までの「つながるキッチン」は、タイ班と、スリランカ班とパンフレット班の3つの班に分かれて活動を行っていました。
タイ班はタイ野菜を育てている農園を手伝いつつタイの食事を研究し、スリランカ班はスリランカの方とリモートでの会話や動画のやり取りを通してレシピを教わり、パンフレット班は災害と食に関してのパンフレットの作成とそれぞれ別々の活動を実施していました。

前年から「つながるキッチン」を引き継いで参加したメンバーは自分だけだったので、今年度は活動内容を3チーム体制での制作から、レシピブックの制作に注力する形に変更しました。

現在の活動状況

加賀美さん(芸術専門学群2年生)
加賀美さん(芸術専門学群2年生)

今年度は韓国と台湾の2か国分のレシピブックを制作しており、パンフレットのような形になりますが、最終的にはしっかりとした冊子にすることが目標です。
来年以降は、今年度の活動で生まれたノウハウを活かし、並行していろんな国のレシピを制作し、どんどん数を増やしていけたらと思っています。

二門さん(芸術専門学群2年生)
二門さん(芸術専門学群2年生)

レシピブックで韓国と台湾の料理を取り上げるため、それぞれ留学生に取材を実施しました。

韓国のレシピブックでは、「テンジャンチゲ」というチゲ鍋のような料理と、「トッカルビ」というハンバーグのような料理を紹介しています。実際に韓国の留学生の方から教わりながら調理しました。

台湾のレシピブックでは「ダンピン」という朝ごはんでよく食べられる、卵焼きのような生地と卵を重ねて巻く料理と、「タンユエン」というゴマの餡が入った白玉団子のような屋台料理を紹介しています。

現在は紙面もほとんど完成している状態です。

レシピについて

二門さん(芸術専門学群2年生)
二門さん(芸術専門学群2年生)

今回取材した韓国と台湾は、両国ともに日本の家庭料理と共通した食材や手順で作ることができました。細長い餅を使う料理がありましたが、日本でも手に入る餅を6等分にして代用しました。

今後、他の国のレシピを再現する場合は、日本の方が作りやすいように、代替品を探したり、日本風にアレンジしたりするなど工夫する必要が出てくると思います。

完成した誌面デザイン(※内容は変更される可能性があります。)

今後の目標

加賀美さん(芸術専門学群2年生)
加賀美さん(芸術専門学群2年生)

食を通じて、いろんな大陸の話が聞ければいいなと思っています。レシピブックも、大陸ごとに何冊か分けると面白そうだという案が出ています。

また、日本語版と並行して英語版のレシピ本も作っており、留学生や外国籍の方に向けて、日本の家庭料理についても広めていきたいとも考えています。まずは筑波大生など、身近なところから認知を広げて、つくばに住むみなさんにも知っていただけたらと考えています。

二門さん(芸術専門学群2年生)
二門さん(芸術専門学群2年生)

現在制作中のパンフレットは、「つくば蚤の市」というイベントに出店してレシピを配布する予定です。
「つくば蚤の市」は月に一度つくば駅近くの広場で開催されるフリーマーケットで、直近の2024年2月の出店を目指しています。

また、他のイベントでも配布出来たらいいなと思っています。他には、今年の筑波大学学園祭「雙峰祭(そうほうさい)」にも出展したいと思っています。
レシピブックに掲載しているレシピは家庭料理が多く、気軽に作れるメニューを中心に集めているので、地域からの来場者が多い雙峰祭では、多くの人に興味を持ってもらえるのではないかと考えています。

つくば蚤の市と雙峰祭などのイベントに出展し、レシピ本を手に取って頂くことで海外の料理に面白さを感じてもらうことが目標です。実現するかはわかりませんが、今後、レシピ本を配布するだけでなく実際に調理したものを販売するという案も出ています。

活動を通じて起こった心境の変化

加賀美さん(芸術専門学群2年生)
加賀美さん(芸術専門学群2年生)

他のADPのプロジェクトだと3年生や4年生など上級生も多く参加していますが、つながるキッチンは1,2年生が中心です。
それでもプロジェクトを引っ張っていこう、やってみようという同世代ならではのマインドで頑張っています。1つのプロジェクトを引っ張っていく経験があまりなかったので、今回良い経験ができたと思います。
このプロジェクトは授業の一環なので、失敗も経験のうちという考え方でやってみようと様々なことに挑戦しています。

二門さん(芸術専門学群2年生)
二門さん(芸術専門学群2年生)

失敗できるうちに失敗しておこうと思えたことです。 トライアンドエラーで、気持ちをしっかりと切り替えてやっていこうと考えるようになりました。

レシピブック制作の様子

パンフレットを見た方へ

加賀美さん(芸術専門学群2年生)
加賀美さん(芸術専門学群2年生)

つくば周辺には留学生や各国のお店といった海外と交流する機会がたくさんありますが、実際に交流している人は少なく、各国の料理について詳しくは知らないといった印象があります。
そこで食を通じて異文化について少しでも知ってもらい、親しみを持ってもらえたらいいなと思っています。例えば留学生との会話のきっかけにしてもらったり、各国のお店に行ったり、自分で調理をするきっかけになれたら幸いです。

おわりに

今回は、「アートデザイン」で地域とつながる筑波大生にお話を伺いましたが、プロジェクトはまだまだ進行中です。病院のリノベーションとレシピブックの完成が待ち遠しいですね。

取材を通じて、つくば市では、筑波大生がそれぞれの専門分野を活かして活気あるつくばの街づくりに貢献すると同時に、地域とのつながりが学生の未来を育てている印象を受けました。こうした、街と大学の関係性もつくばという土地の魅力の一つではないでしょうか。

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この記事を書いた人
この記事を書いた人

和田海音(わだ あまね)

学生団体C4メンバー。
筑波大学知識情報・図書館学類所属。
つくばで見つけた日々の発見を通じ、みなさんの毎日をちょっとだけ豊かにする団体を目指し日々活動中です。

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