茨城県TX沿線エリアはこんなところ

つくば駅と秋葉原駅を最短45分でつなぐ、つくばエクスプレス(TX)。学術・研究都市として知られるつくばなど、茨城県内の沿線エリアではTX開業から20年が経った現在も住宅地や商業施設の開発が進行中。学校や病院なども充実しています。その一方で、筑波山をはじめとする自然が残り、緑あふれる公園や地域で育まれる農産物の豊かさも大きな魅力に。近年はそうした生活環境を求め、子育て世帯を中心に首都圏から移住する人々が増加しています。
9:40 地元の人に混ざって人気のパン屋「Boulangerie encuit(ブーランジェリーアンキュイ)」でお買い物
TXつくば駅に集合したツアー参加者と最初に訪れたのは、「Boulangerie encuit(ブーランジェリーアンキュイ)」。パンの激戦区といわれる茨城県TX沿線エリアのなかでも高い人気を誇る1軒で、パンの名店や有名ホテルのブーランジェなどでシェフを務めた小山洋樹さんが2010年に開いたお店です。ガソリンスタンドをリノベーションした店内に入ると、朝の時間帯にも関わらず、すでに多くの人で賑わっていて、次から次へとお客さんがやってきます。


店内には、看板商品のクロワッサンをはじめとした食事パン、クリーム系やフルーツ系の菓子パンなど、約60種以上の多彩なパンがずらり。参加者たちも「久しぶりにたくさん種類があるパン屋さんに出会えた」「地元の人に愛されるパン屋さんがあることに感動」「再訪したいお店のひとつになりました」と、買い物を楽しんでいました。



10:40 実はカメラが手放せない!「万博記念公園」へ
次に向かったのは、つくば科学万博跡地に開かれた「万博記念公園」。約6万平方メートルの敷地内には、芝生広場や池、テニスコートなどがあり、地域の人々の憩いの場となっています。この日も子ども連れの家族などが芝生広場でくつろいだり、散策したり。穏やかな光景が広がっていて、「芝生広場でピクニックやバドミントンをしてみたい」「犬や猫と散歩している方がいて、私も犬や家族と散歩しているイメージができた」と話す参加者も。

みんなで高さ10mの公園のシンボル「科学の門」を見上げた後、参加者たちは園内で思い思いに過ごしましたが、パン屋さんで購入したクロワッサンを撮るなどちょっとした撮影会のムードに。なかでも参加者たちを魅了したのがイチョウ並木。黄色く色づき始めたイチョウのトンネルが美しく、互いの写真を撮り合う姿も印象的でした。




例年3月下旬から4月上旬には、300本ものソメイヨシノが園内を彩ります
11:45 「Cafe & Restaurant Bastille(カフェアンドレストラン バスティーユ)」で地産地消ランチ
この日のランチは、地域のおいしい恵みを味わいに閑静な住宅街に佇む「Cafe & Restaurant Bastille(カフェアンドレストラン バスティーユ)」へ。ログハウス風の店内では、常陸牛ハンバーグ、気まぐれランチなど全6種類から参加者それぞれが食べたいメニューを味わいました。



料理の特徴は、どのメニューにも地元の契約農家が無農薬に近い状態で育てた野菜がふんだんに盛り込まれていること。旬の野菜を使用した季節のポタージュも楽しみ、野菜が持つ力強いうまみや甘みをじっくり堪能。つくばの豊かな食生活を感じるひとときに、「ポタージュも含め、地元の野菜がおいしかった」「野菜たっぷりなのがうれしかった」「また来たいと思えるおいしさ。家の近くだったら通っちゃいます」と、参加者たちも大満足の様子でした。


13:40 大型分譲地「イイコトテラスみどりの」で暮らしをイメージ
ランチの後はつくば市みどりのにある、242区画の大型分譲地「イイコトテラスみどりの」を訪れました。まずはこの分譲地を管理・運営するハウスメーカーの額賀裕太さんの案内で分譲地を散策。参加者たちが関心を寄せていたのが、その街並みの美しさ。歳月を重ねてもきれいな街並みを保つため、外壁は経年変化しにくいタイルで統一。しかも最低区画面積が180平方メートル以上とエリアの条例で定められているため、街並みがゆったりとしていて、参加者からは「隣接の家と適度な距離があって住みやすそう」「のびのびと子育てできそうな環境」といった声が上がりました。


さらにモデルハウスの見学も。2階建ての住宅は、延べ床面積約115.97平方メートル、4LDK+書斎の間取り。リビングの吹き抜け空間、各洋室に備えられた多機能クローゼット、全面に装備された床暖房などに参加者たちは興味津々。気になる価格について伺ってみると、見学した住宅のタイプは土地+建物+外構工事で5500万円くらい(※)だそう。5000万円前後で購入できる区画もある(※)と聞き、「都内より安く購入できることは魅力」「駐車場スペースに使える庭が広くていい」など、参加者たちは沿線での暮らしのイメージを膨らませていました。
(※)価格は、2025/12/1時点での情報です。
(※)2025/12/1時点では、本ツアーで見学をしたモデルハウスは販売を行っておりませんのでご注意ください。



15:30 研究都市・つくばならではのスポットで希少な植物に出会う
つくばには一般公開する研究施設も多数。「筑波実験植物園」はそのひとつで、現在は7名の研究者が在籍。“植物の多様性を知る、守る、伝える”をコンセプトに、植物の魅力を発信しています。季節で見頃の植物が変わったり、イベントもたびたび開催されたりと、さまざまな楽しみがあり、ファミリーで訪れる地元の人も多いそう。


今回のツアーでは、ボランティアスタッフのみなさんに3つの温室を中心に案内していだきました。驚かされたのが、植物の種類の多さ。知ってはいるけれど普段目にする機会のないバニラやカカオなどの植物、形も大きさもいろいろなサボテン、さまざまな野生の蘭などが次々と現れます。ガイドさんの楽しい解説に好奇心をくすぐられた参加者たちからは「知らない植物を知ることができた。家族や友人とまたゆっくり来たい」「今度は園内の隅々まで案内してもらいたい」「植物を管理する大切さを知れた」といった声が寄せられました。



植物園では絶滅に瀕している植物の保全にも力を入れており、研究内容を紹介する企画展なども開催
17:00 ツアーの締めくくりは、移住者との交流と座談会
ツアーの最後は、つくば駅近くの交流拠点施設「co-en」の会議室に移住者を招いてトークセッション。お越しいただいたのは、2014年につくばに移住した、デザイナーの岩田博嗣さんとコピーライターの根本美保子さん夫妻。つくばでデザイン会社「TURBAN」を立ち上げ、現在は筑波山山頂付近のコーヒースタンド「877Stand」の運営や、筑波山みやげにぴったりなオリジナルグッズも手がけています。


夫妻の移住のきっかけはお子さんの誕生。岩田さんは北海道出身、根本さんは茨城県の出身で、お互いが都心での子育てをイメージできなかったことが移住につながったと言います。
「つくばに決めたのは、母方の実家の石岡に近くて、教育環境が整っていたこと。そして都心へのアクセスのよさ。今も東京のクライアントと仕事することが多いので、TXはよく利用しています。東京からだとつくばは遠いイメージがあるようで、“遠方からありがとうございます”と言われることもありますが(笑)、TXは速いのに揺れないし、つくば駅は始発駅だから座れるメリットも。とても快適です」と根本さん。
トークセッションでは移住して10年以上が経った夫妻にエリアの印象も聞いてみました。
「移住した頃は、好きなコーヒーショップがないとか、おしゃれな店がないとか、なにかと東京と比較して、休日は都心に出かけたりしていました。でもだんだん感覚が変わって、東京にはないゆるさとか、ローカルのよさみたいなものを楽しめるようになりました。
この地域の人たちって、すごく食に感心が強いんです。とくに農作物。例えば梨ですと、“今年は幸水がいいよね”というと“いやいや俺は秋月だな”とか、品種で会話が盛り上がる。直売所に行くと、いろいろな品種の梨が売っていて、今日はどの品種にしようかと選ぶのも楽しいですし。東京にいたら気付けなかった楽しみをいろいろ見つけられるようになりましたね」と岩田さん。

トークセッション後の座談会では、参加者のみなさんに1日のツアーの感想や茨城県TX沿線エリアの印象について聞きました。

「コロナ禍で在宅中心の仕事になってから、うまく気持ちの切り替えできないことも多く、自然と触れ合いたい気持ちが常に頭の中にありました。今回のツアーでは公園も訪れられて、すごくほっとする感覚を得ました。素敵なお店もまだまだありそうなので、また訪れて開拓してみたいです」
「これから開発が進んでいきそうな広い場所がたくさんあり、いろいろなことが始まっていきそうなワクワクを感じました」
「思った以上に栄えていてびっくりしました。道が広くて、運転しやすそうなので、車派の人なら、のびのび暮らせそう」
「つくば郊外に実家がある友人がいて、TXで何度か遊びに来ていましたが、沿線エリアをめぐったのは今回が初めて。こんなにきれいな街だったんだと感激しました。万博記念公園と科学の門の組み合わせなど、自然と近代的なものが融合したような風景も楽しかった」
「実はつくばはもっと田舎かと思っていましたが、私が今住んでるエリアよりも買い物スポットなどが充実していて、生活のしやすさを感じました」
「つくばエクスプレスと言えば、つくば駅というイメージでしたが、みどりの駅の周辺にも大規模な分譲地があるのは大きな発見。茨城県TX沿線の盛り上がりが加速していきそう」

印象的だったのは、今回のツアーを通して「茨城県TX沿線のイメージが変わった」という参加者が多かったこと。百聞は一見に如かず。まずはTXを利用して沿線エリアを訪れ、今回ご紹介したツアーを参考にスポットをめぐり、この地域の魅力や暮らしのイメージを見つけてみてください。移住への扉が開くかもしれません。
取材・文:中村 美枝 撮影:佐野 学
